4年後のオーストラリア臨床留学:課題と検討

オーストラリア臨床留学への道

はじめに:留学への道

こんにちは!そらいろドクターです。(はじめましての方、著者プロフィールはこちら

「4年後のオーストラリア臨床留学」という大きな目標を掲げ、情報収集や英語学習といった準備を少しずつ始めています。以前の記事では、留学への主要な3つの『Pathway(道筋)』(オーストラリア医師登録の道は複雑?Pathway完全解説)やPathwayと混同されがちだけど非常に重要な概念『Registration』(豪州臨床留学へのロードマップ再考:最重要のPathwayとRegistrationの違いを理解する)について解説しました。

どの道を進むにしても、避けては通れない課題が山程あるのが現実です。正直なところ、どのPathwayを目指すのかもまだ決めきれていません。

そんな中、先日、妻と改めて留学についてじっくり話す機会がありました。夢や希望だけでなく、避けては通れない現実的な課題——特にお金のこと、そして家族の生活のことについてです。今回は、その夜の会話で出てきたリアルな悩みや考え、そして改めて見えた目標への想いを、正直に綴ってみたいと思います。

立ちはだかる現実①:お金の壁

まず直面するのが、やはりお金の問題です。留学には当然、多額の費用がかかります。

渡航費、ビザ申請費、現地での生活費、子どもの学費・保育にかかる費用…。具体的にいくら必要なのか?これは選択するPathwayによっても大きく変わるため、まだ正確には算出できません。ただ、仮に一番お金がかかると言われるStandard Pathway(AMC試験を経て現地で研修し、一般登録を目指す道)を選んだ場合、数年間の留学計画全体で、現地である程度の貯金が必要になります。それも、かなりまとまった額が…

また我が家は住宅ローンを抱えている状況でもあります。その返済をどうするのか、留学中の収入はどうなるのか…。不確定要素が多い中で、具体的な資金計画を練るのは本当に難しいと感じています。


立ちはだかる現実②:家族帯同での留学、理想と「リスク」

次に、家族の生活の問題です。理想としては、家族全員で一緒にオーストラリアでの新しい生活をスタートしたい。しかし、妻子を連れて家族全員で同時に渡航するのは、めちゃめちゃ大変だったという経験談を、他の先輩方のブログなどでもよく目にします。考えてみれば、それはそうだよな、と。

父(私)は一家の大黒柱として、慣れない海外の環境で新しい仕事をスタートさせなければいけない。一方、妻や子供たちは、特別英語が堪能なわけでもなく、私の仕事に巻き込まれる形で、見知らぬ土地での生活を始めなければならない。さらに、以下のような多くの不安要素があります。

  • 前述の通り、お金がどれくらいかかるか、正確には分からない。
  • 就職先によって住む土地も選べるわけではない不安定さ。
  • 住居に関しても事前に十分に内覧できずに決めて後悔する可能性。
  • 現地の安全面の懸念。ちゃんと生活をスタートできるか?
  • 子供の学校や幼稚園はすぐに見つかるのか?現地に行かないと分からない部分が多い。

これらを考えると、正直リスクが高すぎる!と感じざるを得ませんでした。


選択肢の模索:「単身先行」?

これらの現実的な壁を前にして、妻と話す中である程度まとまりつつあるのが、「まず私(夫)が単身で先に行って、生活基盤を整える」という選択肢です。よくあるパターンなのかもしれません。理由として…

  • 現地での仕事を軌道に乗せ、ある程度の収入を確保する。
  • 生活環境(住居など)を整える。
  • 私自身の英語力もある程度向上させる。
  • そして何より、家族を迎えるための精神的な「余力」を作る。

その上で家族を呼び寄せる方が、結果的に家族全員にとってスムーズなのではないか、という現時点での結論です。しかし、これもまた簡単な道ではありません。家族と離れて一人で海外で仕事をするのは初めての経験になります。逆も然り、妻や子にとっても、大変で貴重な幼少期の期間、離れて生活しなければいけません。そのあたりも、これからさらに妻とよく話し合っていく必要があります。


それでも目指す理由

お金のこと、生活のこと、家族のこと…。考えれば考えるほど、留学への道のりは険しく、多くの課題があることを再認識させられました。

日々の業務、専門医試験勉強、研究、家庭との両立を考えると、私にとって正直かなり高い壁であることは自覚しています。世の中には、想像もつかないような努力をされて目標を達成される方もいらっしゃり、本当に尊敬します。私は自称の通り平凡な医師ですので、まずはこの(それでも相当に高いと感じる)目標を掲げ、試行錯誤しながら泥臭く努力する過程、まさにその「奮闘記」を記録し、共有していきたいと思っています。

そして、妻と話していて、最終的に行き着いた「それでも目指す理由」。

それは、やはり「子供たちにとって何より貴重な経験をさせてあげたい」という強い想いでした。

多感な時期に異文化に触れ、多様な価値観を知り、広い世界を見る経験は、彼らの人生にとって、お金には代えられない「Pricelessな経験」になるのではないか。多少、家計が苦しくなって貯金が減ったとしても、家族みんなで前向きに、楽しくその経験を乗り越え、「あの時、挑戦して本当に良かったね」と将来笑って話せるなら、それ以上の価値はないのかもしれません。(だからといって無計画で無責任な、自分のキャリアのためだけの、留学は絶対にしたくありません。)

そんな話を妻と交わした夜でした。


おわりに

留学への具体的な道のりはまだ定まらず、課題は山積みです。それでも、家族と率直に話し合い、改めて「なぜ目指すのか」という原点を確認できたことで、不思議とモチベーションは高まりました。

不安や困難も含めて、このブログでリアルな過程を発信していくことが、私自身の力にもなり、また同じように悩む誰かの参考にもなれば嬉しいです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

そらいろドクター

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